瀧神社の社務日誌

神社や神話にまつわる話を中心に更新中!

柏手は喜びと感謝の表現

皆様は神社や寺院に参拝の際はどのような作法でお参りされてますか?寺院では拍手を打たずに静かに合唱するのが原則ですが、神社では「二拝二拍手一拝」の作法でのお参りが基本となっております。

神社参拝における「二拝二拍手一拝」は昭和三十三年に定められた比較的新しい作法ですが、拍手と拝礼の作法は弥生時代にまでさかのぼる古いものです。三世紀の中国の史書魏志倭人伝』には「倭(日本)の人は偉い人に会うと手を打って挨拶する」と記されています。

もともと喜びの感情を表す拍手が、天皇をはじめとする高貴な人に会ったときの喜びを表す自然な表現と結びつき、それが敬礼の作法として定着したと考えられます。つまり神前で柏手を打つことも神様に対する挨拶、また喜びと感謝を表現するためであります。また現在でも行われる「一本じめ」や「三本じめ」なども一つのことが成就したのを神様に奉告し感謝する意味が込められていると考えられます。

神社の参拝作法は、時代とともにより美しい形へと変化してきました。ひとつの作法を考えることは、これまで日本人が神様や神社をどう大事に思ってきたかを読み解くことなのです。