瀧神社の社務日誌

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玉串について

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 玉串は神前にお供えするものとして、神饌と同様の意味があると考えられています。神饌と異なるのは、玉串は拝礼によって自らの気持ちをこめて供え、お参りするということです。玉串は祭典の中で捧げて拝礼することから格別な意味を有するものであります。

 玉串の由来は『古事記』の天の岩戸隠れの神話に求められているといわれています。天照大御神の岩戸隠れの際に神々が執り行った祀りでは、真榊に玉や鏡などをかけて天照大御神の出御を仰いだことが記されています。

 また、その語源にはいくつかの説があり、本居宣長はその名称の由来を神前に手向けるため「手向串(たむけぐし)」とし、供物的な意味を有するものとして解しています。平田篤胤は本来は木竹(串)に玉を着けたものであったために「玉串」と称したと述べています。

 こうしたことから玉串は神籬と同様に神威を受ける依代であり、また玉串を捧げて祈る人の気持ちがこめられることにより、神様と参拝者との仲立ちとしての重要な役割を果たす供物であると考えられています。