瀧神社の社務日誌

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大嘗祭について

本日11月14日夜から15日未明に大嘗祭が斎行されます。大嘗祭天皇御一代に一度行われる祭祀で、数ある祭祀の中でも最高の重儀とされています。

毎年秋に天皇陛下は、その年の新穀を天照大御神をはじめ神々にお供えし感謝を捧げる「新嘗祭」を宮中で御斎行になります。なかでも陛下が御即位後初めて行われる新嘗祭が「大嘗祭」です。大嘗祭は特別に造営された「悠紀殿(ゆきでん)」「主基殿(すきでん)」を中心とした「大嘗宮(だいじょうきゅう)」において斎行されます。大嘗宮は古代の工法そのままの簡素な建物で、陛下はそこで古式に則った祭祀を親ら執り行い、皇祖及び天神地祇(てんしんちぎ)に国家・国民の安寧と五穀豊穣を祈念されます。

新穀を神々に奉る祭祀は古くは天照大御神がなさっていたことが『古事記』『日本書紀』に記されています。大嘗祭を通して、歴代の天皇は日本神話で語られている天照大御神から託された稲によって我が国を豊かにしてほしいとの願い、つまり建国の理想を継承することをお誓いになられるのです。

また全国各地の神社においても新嘗祭が毎年勤労感謝の日に執り行われますが、今年は大嘗祭に合わせた祭祀となります。日本中各地神社のお祭りが、その土地その地域に暮らす人々の団結と願いによって続けられてきたのと同じように、大嘗祭は日本という大きな共同体の団結とこれからのさらなる発展と継承が祈念されます。特別な年の特別な日である今日、各地の神社を通して私たちの日本を想う心が神様へ届くことでしょう。