瀧神社の社務日誌

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稲穂を見て思ふ(斎庭稲穂の神勅)

毎朝神社へ向かう通勤中に田んぼの横を通るのですが、近頃はたくさん稲穂が実り黄金色で輝き、そろそろ収穫の時期を思わせます。

稲の栽培は神授の仕事であり、季節ごとに神事を重ねて稲作を行い、収穫後は新嘗祭を行います。このように神道祭祀と稲作は密接に関係しており、その由縁は『古事記』また『日本書紀』に記されています。『日本書紀』の一書によると、天照大御神瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が地上に降る際、三つの神勅をお授けになられました。「天壌無窮の神勅」「宝鏡奉斎の神勅」、そして稲穂と共に授けられた「斎庭稲穂の神勅」です。

『吾が高天原にきこしめす斎庭の稲穂をもって、また吾が児にまかせまつるべし』

天上(高天原)で天照大御神がお祭りをなされた新嘗の稲穂の種を瓊瓊杵尊に授け、天上の如く米を作り初穂を供えてお祭りするよう神勅なされたことが、現在の宮中新嘗祭大嘗祭天皇陛下がご親祭なされる由縁となっております。

強い風雨や暑い日を乗り越えて立派な稲へと成長する姿、また「実るほど頭を垂れる稲穂かな」ということわざにあるように稲穂からは多くの学ぶことがあるなと通勤中にㇷと思いました。